| ほてりは、さまざまな原因で起こります。
また、発熱があるとほてることが多いのですが、体温が高くなくても感じることがあります。
漢方ではほてりを次のように分けて考えていきます。
陰(いん:体液)が足りないタイプ 【陰虚、いんきょ】
このタイプは比較的多く見られます。
陰は潤して熱を冷ます働きがあるため、不足すると、相対的に陽(よう。温める働きがある)が盛んになり、熱の症状としてほてりがでます。
陰は慢性病・寝不足・過度な発汗・水分不足・嘔吐・下痢・加齢 などによって消耗されます。
このタイプのほてりは手のひらや足の裏に出やすく、午後あるいは夜になって微熱が出てくることもあります。
寝不足で頭のてっぺんが熱くなっている場合は要注意です。早く寝るようにしましょう。
<伴いやすい症状>
そわそわする、のぼせる、ほほが赤くなる、寝汗をかく、喉が渇く、イライラしやすい など
<漢方>
主に陰(いん)を補うものを使います。
<予防>
早く寝る、刺激物(辛いものなど)を控える、汗をかいたら水分を摂るなど
漢方で早めに対処しておくと、その後の予防にもつながります。
血(けつ)が足りないタイプ【血虚、けっきょ】
血が不足する要因としては、出血・栄養不足・胃腸虚弱・目や頭をよく使う・慢性病・出産・手術 などがあります。生理になるとほてりや微熱がでる・出産後に微熱が出るようになった などがある場合はこのタイプが考えられます。
<伴いやすい症状>
めまい・動悸・不眠・唇や爪の色がうすい・生理不順・手足のしびれ・目がチカチカする など
<漢方>
主に血(けつ)を補うものを使います。
<予防>
食事をきちんと摂る(特にたんぱく質や鉄分などの不足に注意)
女性は生理があるため血が不足しがちです。普段からしっかり補うことが大切です。
気(き:エネルギー)が足りないタイプ【気虚、ききょ】
気は、胃腸が弱い・過労・寝不足・食事の不摂生・偏食・慢性病・気を遣う などで不足し消耗されます。もしも、胃腸の調子がすぐれず、疲れると微熱が出やすいなどがあるならば、このタイプが考えられます。
<伴いやすい症状>
食欲が出ない・疲れやすい・気力が出ない・動くと症状が悪化する・汗をかきやすい・めまいがする など
<漢方>
主に気を補うものを使います。
<予防>
疲れを溜めない・食べすぎや飲みすぎに注意する・食事、睡眠をしっかりとるなど
特に胃腸の弱い方は、本来食事から補うべきところが補えません。
したがって漢方で胃腸を強くしながら気を補っていくことをお勧めします。
肝気(かんき)がスムーズに流れないタイプ【気滞、きたい】
怒る・ストレスを溜める・緊張するなど、精神的なものが要因となって気の流れが滞ると、熱をもつことがあります。
顔を赤くして怒っている人や、緊張するとのぼせやすい・赤面しやすい人、気分によって症状に変化がある人は、このタイプかもしれません。
<伴いやすい症状>
脇、胸、背中、頭、おなかが張る、あるいは痛む・ガスが溜まる・イライラしやすい・生理前後に胸が張る など
<漢方>
主に気の流れを手助けするものを使います。
<予防>
気分転換をする・運動をする・好きな香りをかいだり、そういったものを摂る など
血(けつ)がスムーズに流れないタイプ【オ血、おけつ】
出血・怪我・気の流れが悪い・冷え・疲れ などが、血が滞る要因となります。
午後や夜間にほてりが出る・体の局部がほてるような場合には、このタイプが考えられます。
<伴いやすい症状>
特定の場所が痛む・肩こり・頭痛・生理痛・生理の時に塊がでる・くまができる など
<漢方>
主に血(けつ)の流れを手助けするものを使います。
<予防>
脂っこいものや味の濃いものを控える・野菜をきちんと摂る・適度な運動を行う など
その他
・風邪を引いて熱が出る
・暑さの影響を受ける(熱射病など) など
これらは、長引いたり適切な処置をしないと、慢性化して1〜3のタイプになることがあります。
また逆に、1〜3の体質の人は、これらの影響を受けてさらに慢性化しやすいため、予防が大切です。
タイプをいくつかご紹介しましたが、これらは単独で症状として現れるよりも、互いに重なり合って出てくることも多く見受けられます。したがって漢方では、生活スタイルや精神面、食事のバランス、その時々の状態などを見ながら合わせていきます。
しかし、体質は毎日の積み重ねによってつくられ、変わってもきます。普段からの養生を心がけましょう。
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