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中医学の解説でよく出てくる言葉を、分かりやすく用語辞典にしました。
病気の解説ページでも分からない言葉が出てきたらぜひこちらをご覧下さいね!

  • 整体観念(せいたいかんねん)

人体を部分ごとに分けるのではなく、まるごと見ること。そして、人間もまた自然界の一部であるという考え。

  • 弁証論治(べんしょうろんち)

四診によって患者から得た情報をもとに、病気の原因を探り、治療方針を立てること。

  • 黄帝内経(こうていだいけい)

中国最古の中医学書。伝説の黄帝と岐伯の問答形式によって、陰陽五行論にのっとった医学理論と針灸による治療術が述べられている。

  • 陰陽学説(いんようがくせつ)

この世の中は、陰(暗くて冷たく、うるおいをあたえるもの)と陽(明るくて温かく、動かす力)が互いに影響しあい、バランスをとりながら共存しているという考え。

  • 気(き)

すべての基本。
目で見ることはできないが、臓器を動かすのは気の働き。血も気の流れに乗って体の中を巡る。気が十分にあることで外からの邪気に対抗することができるので免疫力とも関係するなどさまざまな働きがある。

  • 血(けつ)

食べ物から得られる精を体全体に運ぶ赤い液状のものと考えられていた。中医学では、体全体を支える「量」が必要であると考える。

  • 水(すい)〔津液:しんえき〕

体にとって必要な水分。体の中の水分の総称。水分も体の中で余分になってむくみなどの原因になるがその場合は津液とは言わない。

  • 五行学説(ごぎょうがくせつ)

五行とは木、火、土、金、水の五種類の物質の運動をさしており、世界のすべてはこれらで構成されているという説のこと。

  • 自然界の五行(しぜんかいのごぎょう)

自然界はすべて異なった性質を持つ「木(もく)」「火(か)」「土(ど)」「金(こん)」「水(すい)」の五つの基本物質で成り立っている。そしてそれらは支えあったり抑制しあったりして互いに影響しあっている。
性質
木・・・成長繁殖、調達、筋が通る
火・・・温熱、上
土・・・生成、発育、積載、受納
金・・・粛清、収斂、清潔
水・・・寒冷、湿潤、下降

  • 六淫の邪(ろくいんのじゃ)

風、寒、暑、湿、燥、火
自然界に存在する6種類の邪気のこと。
これらが正常な状態で6気といい、人体に入り体に悪影響を与え始めたときに六淫の邪気と呼ぶ。

  • 内生五邪(ないせいごじゃ)

疾病の過程において、臓腑や気・血・水(津液)などの異常によって生じた風・寒・暑・湿・燥の5つの邪気のことを指す。六淫の邪は自然界にある気が体の中に入り疾病の原因になることを指すのに対して、内生五邪は体の中から生じるものを指すという違いがある。
六淫の邪を参照

  • 風(ふう)

① 外風(がいふう);六淫の邪の一つ。他の邪気を連れて侵入することが多い。人体の上部(顔・鼻・喉)などをまず襲撃するが、患部が一定せず、場所がかわりやすい特徴をもつ。
② 内風(ないぷう);内生五邪の一つ。肝との関係が密接。感情や長患いなどによって、陽を制することができないことにより、震え、ひきつけ、めまい、しびれなどを起こす。
六淫の邪、内生五邪を参照

  • 寒(かん)

① 外寒(がいかん);六淫の邪の一つ。冬に多く発生し、体の冷えやぞくぞくする症状を引き起こす。
② 内寒(ないかん);内生五邪の一つ。体を温める機能である陽が衰えることにより、体の冷えを引き起こす。

  • 暑(しょ)

六淫の邪の一つ。夏、熱い地域に限定される熱系の邪気。

  • 湿(しつ)

① 外湿(がいしつ);六淫の邪の一つ。季節の変わり目に多く発生し、人体に余分な水分を停滞させる。
② 内湿(ないしつ);内生五邪の一つ。脾・腎などの機能障害により水分の代謝が悪くなり、余分な水分を停滞させる。
を参照、を参照

  • 燥(そう)

① 外燥(がいそう);六淫の邪の一つ。秋になり空気が乾燥し始めたときに、粘膜や肺を乾燥させ、空咳・肌かさつきなどを引き起こす。
② 内燥(ないそう);内生五邪の一つ。慢性病、急な脱水状態、熱性の疾病などで潤い(津液)の消耗が原因。粘膜の乾燥、空咳、便の乾燥など引き起こす。

  • 火(か)〔熱〕

内生五邪、六淫の邪の一つ。火は熱を極めたものとされる。陽性の邪気で、炎上しやすい性質をもつ。高熱の症状がでるほか、神明を乱し、いらいら・不眠などの症状も引き起こす。

  • 五臓(ごぞう)

自然界の五行を人体に当てはめたもの。
「肝(かん)」「心(しん)」「脾(ひ)」「肺(はい)」「腎(じん)」の五臓がある。

  • 肝(かん)

体がスムーズに動くための働きをする。ストレスのクッションの役割をし、感情のコントロールをおこなう。
血液の貯蔵庫でもあり、各臓器に送る血液の量を調整する。

  • 心(しん)

血液を送るポンプの役割をする。思考や、精神活動をつかさどる。

  • 脾(ひ)

消化器系のことを指す。飲食物の消化吸収をおこない、必要な栄養を全身に運ぶ役割をする。
出血のコントロールをおこなう。

  • 肺(はい)

呼吸をして良い空気を吸い込み、濁気を排出する。
水分の循環と排泄を調整する役割をする。(汗、尿として排泄するための働き)

  • 腎(じん)

精の貯蔵庫で、成長、発育、生殖をつかさどる。
水分の輸送と排泄を行なう。(主に尿を生成し、排泄する)
肺が吸い込んだ清気を深く留めておく。