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東洋医学的解説

食欲不振は比較的胃腸の弱い日本人によく見られる症状です。ストレスを溜めやすい、つきあいで飲んだり食べたりする機会が多い、などの理由で胃腸薬を手放せないという方も多いのではないでしょうか?

実際、市販でも多くの胃腸薬が出回っています。普段から食欲旺盛な人であれば、一時的な食べすぎで食欲不振になってもこれらの胃腸薬で落ち着くかもしれませんが、反対に食欲不振に陥りやすい方は薬を飲んでもスッキリしなかったり、食事が美味しくない・疲れやすい・・・、などの症状も出てきて辛いものです。

漢方には、一時的な食べすぎが原因となっている場合はもちろん、症状を繰り返す方にとっては、強い見方になります。

ただし、食欲不振は日常的に見られる症状であるために軽視しがちですが、何らかの疾患が原因となっていることもあるため、繰り返す・体重が減ってきた・症状が激しい・気になる症状がある・何となく今までと違う・・・、などがある場合には、念のため、医師の診察を受けましょう。そして、他の病気が原因の場合には、その治療が優先されます。

  • 食欲不振と臓腑の関係

漢方では、食欲不振を主に「脾」「胃」「肝」の機能がスムーズに働かなくなった状態と考えます。
「脾」「胃」「肝」の働きとしては次のようなものがあります。

「脾」
・必要なものを取り込んで運ぶ(消化吸収)
・水分を吸収し輸送する(水分代謝)
・身体に必要なものを持ち上げる(内臓を適正な位置にとどめるなど)
・血が漏れでないようにする

「胃」
・食べ物を受けとめて、もんで細かくする
・下へ降ろす(細かくしたものを小腸、大腸へ送る働きなど)
 (「脾」の上に持ちあげる働きと、「胃」の下へ降ろす働きでバランスをとっています)

「肝」
・気の流れを調節する
・消化吸収を助ける(胆汁の排泄も含まれます)
・感情をコントロールする
・血を貯蔵する(血の量を調節する)

  • 食欲不振の原因
  1. 1.胃腸が弱いタイプ

    <症状>
    食欲不振(食べても味がない・少し食べただけですぐに胃の辺りが張る・食べられない・食べたいと思わない)、疲れやすい・気力がでない・やせる・声に力がない・お腹が張る・便秘(気張らないと出ない)・泥状のベタッとした便・下痢・胃下垂 など
    <原因>
    もともと胃腸が弱い・・・「脾胃気虚(ひいききょ)」
    <漢方>
    「脾胃」を元気にしていくものや、消化を助けるものなどを使います
    <予防>
    ・食べ過ぎない(腹8分目)
    ・三食をきちんととり、よくかんで食べる
    ・夜遅くに食べない
    ・疲れを溜めない。(疲れたら休む。)
    ・十分な睡眠をとる   など

  2. 2.余分な水分があるタイプ(水分代謝がスムーズにできない)

    <症状>
    食欲不振(お腹がすかない・食べたくない・少し食べるだけでお腹が張る)、胃の辺りが悶々とする・口が粘る・吐き気・痰が多い・身体が重だるい・頭がしめつけられるように重い・頭痛・軟便(ベタッとした便)・下痢おりものが多い(白色、うすい)・舌苔がベタッとついている・胃の辺りを叩くとチャポチャポする・水を吐く など
    <原因>
    ・もともと胃腸が弱い・・・「脾胃気虚(ひいききょ)」
    ・水分の摂りすぎ
    ・生ものや果物、冷たいものの摂りすぎ
    ・湿度の高い環境(湿気の多い場所に住む・長時間雨に濡れるなど)・・・湿邪の影響
    <漢方>
    余分な水分を取り除くものや、胃腸の働きを助けて水分代謝をスムーズにしていくようなものなどを使います
    <予防>
    ・水分を摂り過ぎない
    ・食べ過ぎない(腹八分目)
    ・胃腸を冷やさない(冷たい飲み物や生ものを控える)
    ・夜遅くに食べない
    ・湿気の多い場所を避け、雨に濡れたらすぐにふく  など

  3. 3.余分な水分があり、さらに熱が加わったタイプ

    <症状>
    食欲不振(食べたくない・油物や臭いのあるものを前にすると吐き気がする)、胃の辺りが張る・口が粘る・口が苦い・身体が重だるい・尿が濃くて少ない・尿の出が悪い・便秘あるいは軟便、下痢おりものが黄色い(粘性、臭いがある)・外陰部がかゆくなる・イライラして怒りやすい・皮膚が黄色くなる(黄疸)・発熱(汗をかいても下がらない)・黄色い舌苔がベタッとついている など
    <原因>
    ・刺激物(辛いものなど)や味の濃いものの摂りすぎ(美食)
    ・アルコールの飲みすぎ
    ・甘いものの摂りすぎ
    ・気温が高く、湿度が高い環境・・・湿熱の邪の影響
    ・ストレス
    ・感染(ウイルスや細菌)  など
    <漢方>
    余分な水分を取り除き、余分な熱を冷ますようなものなどを使います。
    <予防>
    ・刺激物・味の濃いもの・脂っこいもの・甘いもの・アルコールを控える
    ・ストレスを溜めない、気持ちを落ち着かせる(イライラが続くと熱が発生しやすくなります)
    ・湿度が高く暑い場所を避ける  など

  4. 4.ストレスや感情の変化が影響しやすいタイプ

    <症状>
    食欲不振(ストレスを受けたり、緊張したり、イライラや不安などの感情の変化があると食欲がなくなる・ムカムカして食べたくなくなる)、胸やけ・胃の痛み・お腹が張る・腹痛・お腹がグルグル鳴る・吐き気・げっぷ、おならがよく出る・ガスが出ると楽になる・胸や背中、頭が張るように痛い・イライラしやすい・怒りやすい・緊張が抜けない・排便回数が多い・下痢便秘・ストレスがあると食欲不振以外の症状もでやすい など
    <原因>
    ・ストレス、緊張、不安
    ・もともと胃腸が弱い  など
    <漢方>
    「肝」と「脾」のバランスを整えていくものを使います。(気の流れを整えて精神的な緊張を和らげるなど)
    <予防>
    ・気分転換をする
    ・疲れを溜めない
    ・食べ過ぎない(腹8分目)  など

  5. 5.食べたものが停滞しているタイプ(一時的な食べすぎでよく見られるタイプ)

    <症状>
    食欲不振(胃がスッキリしなくて食べたくない)、胃の辺りが張って痛い・臭い(酸腐臭)のあるゲップ、おならが出る・ガスがでると少し楽になる・便秘したり下痢をしたりする など
    <原因>
    ・食べすぎ
    ・もともと胃腸が弱い(脾胃気虚)・・・少しの量で食べ過ぎになってしまう  など
    <漢方>
    消化を助けていくものなどを使います
    <予防>
    ・食べ過ぎない(腹8分目) ・・・このタイプは必ず飲食の不摂生があり、急に症状がでてきます。したがって、食べ過ぎないことが一番大切です。
    ・よくかんで食べる
    ・夜遅くに食べない  など

西洋医学的解説

食欲不振は、日常の中でもよく見られる症状の一つです。
食べすぎなどによっても引き起こされますが、何らかの疾患が原因となっていることもあるため、症状を繰り返す・長く続くなどの場合は、念のため、医師の診察を受けましょう。

食欲は、脳の視床下部(摂食中枢、満腹中枢)で調節しており、消化管ホルモンやさまざまな物質が関与しています。そして、消化器系の働きがうまくいかなくなったときだけでなく、全身の病気も関わってくるため、食欲不振の原因はさまざまです。

  • 食欲不振原因

一時的なもの(原因がはっきりしていて、それを取り除けば改善されるもの)
・ 食べすぎ
・ 飲みすぎ
・ 運動不足
・ 過労
・ 睡眠不足
・ 便秘
・ ストレス、不安
・ 風邪  など

何らかの疾患が原因となっている場合

<消化器系の病気>
・ 慢性胃炎
急性胃炎と比べて自覚症状が現れにくいのですが、みぞおちの痛みや不快感、胸やけ、ゲップ、悪心・嘔吐、腹痛などを伴います。

 急性胃炎
急に食欲がなくなり、みぞおちの痛み・吐き気・下痢などを伴います。

・ 胃、十二指腸潰瘍
コールタールのような便がでてくるような場合は、出血が考えられますので、直ちに医師の診察を受けましょう。

・ 胃がん
初期にはこれといって自覚症状のないことが多いため、定期的に検診することが大切です。
脂っこい食事を避ける・みぞおちの痛み・もたれ・重圧感・卵が腐ったような臭いのゲップ・下痢・体重減少などが見られる場合は、医師の診察を受けましょう。

・ ウイルス性急性胃腸炎
いわゆるお腹の風邪です。急に食欲がなくなり、下痢・腹痛・嘔吐・発熱などを伴います。

・ 無酸症(塩酸欠乏症)
胃もたれ、下痢頭痛不眠などを伴います。

・ 胃アトニー
食後に胃が張る、胃もたれ、胃のところでゴボゴボと音が鳴る、などを伴います。胃アトニーは、胃の緊張が低下して、だらりとした状態をいいます。胃の収縮力が弱まるため食べ物が長くとどまり、もたれなどの原因となります。
痩せ型で胸が薄く、筋肉が十分に発達していない人に多く見られます。
また胃下垂は病気ではありませんが、胃アトニーを併発して初めて症状が現れます。

・ 慢性肝炎
胃の重苦しさ、全身のだるさ、黄疸などを伴います。

・ 急性肝炎
全身のだるさ、悪心・嘔吐、腹部膨満感、鈍痛、発熱、頭痛、発疹、下痢、黄疸など

・ 膵臓がん など

<その他>
・ 甲状腺機能低下症
・ 尿毒症(腎機能障害)
・ 心不全
・ 結核
・ 脳の病気
・ 貧血
・ うつ病
・ 神経性食欲不振症(拒食症)
・ 薬の副作用(痛み止めなど)
・ 妊娠(つわり)
・ 妊娠中毒症  など

これ以外にも全身のさまざまな病気が原因となります。したがって、何日も続くような場合には、念のため医師の診察を受けましょう。そして、特に問題がないようなら、日常生活を見直し、予防していくことが大切です。

  • 食欲不振の検査

検査方法はいくつかありますが、ここではよく行われる2つをご紹介します。

X線検査・・・粘膜の凹凸を影で捉えて診断していきます。
・ 上部消化管のX線検査・・・食道(食道炎・食道潰瘍など)、胃(胃がん・胃炎胃潰瘍・胃下垂など)、十二指腸潰瘍などを調べます。
・ 大腸X線検査・・・大腸がん、ポリープ、大腸憩室炎などを調べます。

内視鏡検査・・・直接粘膜綿をのぞいて色調などをみます。
・ 上部消化管内視鏡検査・・・食道(食道潰瘍・食道がん)、胃(胃がん・胃炎・胃潰瘍ポリープなど)を調べます。
・ 大腸内視鏡検査・・・大腸がん、潰瘍性大腸炎、ポリープ、大腸憩室炎などを調べます。

  • 食欲不振の予防

何らかの疾患が原因となっている場合は、その治療を優先します。
それ以外の場合は、多くは生活の乱れが原因となっているため、その見直しが大切です。
・ 規則正しい生活を送る
・ 夜遅くに食事を摂らない
・ 朝食はきちんと摂る (夕食を早めに摂る)
・ 食べ過ぎない (腹8分目)
・ 好き嫌いをしない (偏食をしない)
・ 気分転換をする、ストレスを溜めない
・ 適度な運動を行う
・ 十分な睡眠、休養をとる
・ タバコを控える
・ アルコールはたしなむ程度にする
・ 少なくとも年に1度は検診を受ける  など

<参考:消化器系について・胃腸の働き>

消化器系の働き
<消化器系>
口腔・食道・胃・小腸・大腸といった消化管だけでなく、唾液腺・胃小腸腺・膵臓・肝臓・胆のうなど、分泌を行う器官を含めた機能的単位のことをいいます。

<役割>
食べものを摂取して送り出し、それを消化、吸収して、老廃物を便として排泄する働きを担っています。
また肝臓は、胆汁を生成・分泌する他に、吸収された栄養素を身体で利用できるような状態にする働きもあります。

<消化とは?>
食べ物の中の大きな分子を小さな分子に分解していく過程をいいます。三大栄養素である炭水化物は単糖類に、タンパク質はアミノ酸に、脂肪は脂肪酸に分解されていきます。
また消化には物理的消化(噛み砕いたり、消化管の運動で攪拌するなど)と化学的消化(消化酵素によるもの)、生物学的消化(大腸の常在菌によって分解されるもの)があります。

胃腸の働き
<胃>
蠕動運動(もむ動き)で胃液と食べ物を混ぜ、おかゆ状にします。
また、胃に食べ物が残っている時間は、炭水化物の多い食事の場合は2時間くらい、脂肪の多い食事の場合は4時間くらいとされています。

<腸(小腸:十二指腸・空腸・回腸 / 大腸:盲腸・虫垂・結腸・直腸)>
・ 小腸・・・食べ物の消化と吸収を行います。
・ 大腸・・・水分と塩分を吸収します。 小腸から分泌される消化液と、胆汁、膵液が十二指腸で混ざり、胃から送られてきたものは小腸を通る間に消化され、吸収されます。 その後、残りは大腸に運ばれ、その中の塩分や水分が吸収されて、残ったカスは便として排泄されます。

参考文献:「これで安心 胃腸病 予防と治療」 横山正著 高橋書店
 「消化器と病気のしくみ」 黒瀬巌著 日本実業出版社
 「シンプル生理学」 改定第2版 貴邑冨久子・根来英雄 共著 南江堂

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