東洋医学的解説
漢方では、
むくみは、余分な水分(代謝できない水分)が、体内や体表面に溜まってしまった状態と考えています。
では、なぜ、余分な水分が溜まってしまうのでしょうか?
それは、何らかの原因で、漢方でいう 「脾」・「肺」・「腎」 の機能がうまく働かなくなってしまっているからです。
<水分の代謝に対するそれぞれの役割>
「脾」・・・必要な水分の吸収と輸送に関与。
「肺」・・・汗の調節を行う。
「腎」・・・水分代謝全般を調節。いらなくなったものを尿として出す。
また、全身の「陽」の根本。(陽・・陰を物質面とすると、陽は機能面を表す。例えば、「脾」が正常に働くためには、「腎陽」(温めて機能させる力)が必要。)
- むくみを引き起こす要因
梅雨の時期や、湿気の多いところに住んでいる など、外から湿気の影響を受ける。
冷たいもの、生ものをよく摂る。
食べすぎ、飲みすぎ。
もともと胃腸が弱い。
冷えやすい体質。
風に当たる。 ・・・など、他にも色々あります。
- むくみと共にに出やすい症状
手足が重だるい
雨の日は特にだるい
頭痛
食欲不振、吐き気、むかつき
下痢、軟便(泥状便)
尿量減少 or 増加
めまい、ふらつき
おりものが増える
いつも眠い
気分が落ち込む
舌苔が多い、口が粘る ・・・など。
湿気が体に溜まっている人は、さらに 「脾」・「肺」・「腎」 の働きが低下して、悪循環に陥りやすくなります。
ですので、早めのケア&普段からの養生がとても大切です。
西洋医学的解説
むくみとは・・・
体の中の水分は、血管内、細胞内、細胞と細胞の間(組織間液)にあり、体重の約60%を占めています。
そして、「ミネラル」 や 「アルブミン」 というたんぱく質などの働きで、これらは常に行き来して浸透圧を調節し、バランスをとっています。
しかし、何らかの原因でこれらのバランスが崩れて、血管の外に水分が過剰にたまってしまうと、
「むくみ=浮腫」という状態になります。
- むくみの原因
<一過性のもの>
日常生活を見直すことで、改善しやすいもの。
重力の影響で、夕方になると足のむくみとして出やすくなります。
長時間の立ち仕事、運動不足
冷え、衣類による締め付け
冷たいものをよく摂る
不規則な生活(夜更かしなども)
疲労
気温差が大きい場所での生活 ・・・例えば夏、室内は冷房で涼しく、外は暑い場合など
(筋肉の、血液やリンパ液を送り出す働きが低下する・自律神経やホルモンの乱れなどの影響で、静脈血やリンパ液がうっ滞し、むくみとなって現れます。 )
栄養バランスの偏り、塩分の多い食事
(塩分を多く摂ると、それを薄めるためにさらに水分を蓄えてしまいます。)
肥満
<女性ホルモンの影響によるもの>
月経前浮腫
生理前は黄体ホルモンの影響で、むくみやすくなります。(全身)
妊娠
妊娠中期以降は、血液がうすまり、むくみが出やすくなります。(全身)
しかし、妊娠後半期、「むくみがひどく、体重が週に500g以上増える」、「血圧が高くなる」 といった症状がある場合、妊娠中毒症の可能性がありますので、医療機関を受診しましょう。
また、妊娠後半期は、静脈瘤ができやすくなる時期でもありますので、特に母親に静脈瘤のある人は予防を心がけましょう。
<原因となる疾患があるもの>
病気を治療することが優先です。
むくみやすい部位 ・・・顔
急性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症の初期、中等度の慢性腎炎 など
上大静脈症候群 (特に首~顔)
血管神経性浮腫 (クインケ浮腫)
むくみやすい部位 ・・・足
うっ血性心不全 (初期は足がむくみやすい。進むと全身がむくみ、腹水がたまる)
血栓性静脈炎、深部静脈血栓症、エコノミークラス症候群
慢性静脈不全症
静脈瘤
むくみやすい部位 ・・・全身
ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、SLE(全身性エリテマトーデス)腎症 など
肝硬変、重症肝炎 など (特に腹水がたまりやすい)
たんぱく漏出性胃腸症
吸収不良症候群
悪性腫瘍
甲状腺機能低下症
クッシング症候群
妊娠中毒症 (特徴 「むくみ」、「高血圧」、「たんぱく尿」 がある)
<薬の影響によるもの>
抗炎症剤、血管拡張剤、副腎皮質ホルモン剤、グリチルリチン製剤などによる。
- むくみの治療
むくみが何日も続く、あるいはひどくなっている、急な体重の増加がある、尿の出が悪い、血尿が出る、他にも気になる症状を伴っている・・・ などの場合は、できるだけ早く、医療機関を受診しましょう。
そして、何らかの疾患が原因の場合は、その疾患を治療し、異常がないのであればセルフケアに努めましょう。
特に女性は、排卵期から月経までの間は、黄体ホルモンの影響を受けるのに加え、男性に比べて筋肉量も少なく、血管も細いため、むくみが出やすいので、普段からの養生&ケアが大切です。
<セルフケアの例>
塩分を摂り過ぎない。
食事はバランス良く!!(ミネラル不足でも過多でも、水分バランスを崩してしまいます)
弾性ストッキングをはく。
適度な運動をする。 (時間がなければ、その場で足の曲げ伸ばし、かかとの上げ下げだけでも違います)
少し足を高くして寝る。
規則正しい生活 (疲れを溜めない、睡眠をきちんととる など)
マッサージ など
参考文献: 「家庭の医学」、「家庭医学館」
気になる予算は?
体質によって、むくみの原因が違います。
「脾」・「肺」・「腎」 のどの部分が弱っているのか・・・
お話をお伺いして、それに合った対応をさせていただきます。^^
1ヶ月・・・¥12000~15000 位。
お客様の平均予算は ¥25,000位 ・・・むくみ以外にも色々な症状が重なっているため
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