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東洋医学的解説

痙攣(けいれん)は、漢方では、筋脈(すじや血管)に栄養や潤いが行き渡らなくなったり、陰(いん)が陽(よう)を抑えられなくなって起こると考えます。
また、症状が出たり引いたり震えたりと動きがあるため、風(ふう:自然界の風のイメージ)として表現されることがあります。

  • 風寒湿邪(風:寒邪や湿邪を引き連れて入り込む邪気、邪気:体に悪影響を与える因子)が気血の流れを邪魔している

<要因>
湿度の高いところに住んでいる、雨に濡れたままそのままにしていた、水分代謝が悪い、
冷やした、冷たい風に当たる など
<例>
プールで泳いだ後や雨の中ゴルフをした後に体の一部がひきつる、むくんでいる時に足がつりやすい など
<症状>
頭痛・首や背中の筋肉がひきつる、悪寒発熱、手足や体が重だるい、舌苔がべたっとついている など
<漢方>
邪を取り除くものを使います。

  • 高熱によって潤いが失われ、風(ふう)が起こる

<要因>
感染症による高熱・夏の猛暑 など
<例>
高熱とともにひきつけを起こす(熱性けいれん)、熱中症
<症状>
歯をくいしばる、首や背中がひきつる、高熱、そわそわする
ひどい場合は体をそらせ、手足を突っ張らせる
両目が上向く、意識がはっきりしない、うわごとを言う など
<漢方>
熱を冷まし、風(ふう)を鎮めるものを使います。
但し、緊急を要する状態でもあるため、病院での治療が優先されます。

  • 血(けつ:栄養や潤いを与えるもの)や陰(いん:潤すもの)が足りないために、筋脈に栄養や潤いが行き渡らない

<要因>
体質が陰虚(いんきょ)、血虚(けつきょ)、出血、過度な発汗や下痢など
<例>
普段からまぶたなどの小さな筋肉がピクピクしやすい、ストレスが続くとピクピクしやすい、
細かな作業をしたり気を使うなど神経をつかった後に筋肉がピクピクしやすい  など
<症状>
手足のしびれ、筋肉がピクピクする、ひきつる、めまい、顔や爪の色が悪い、爪がもろい、
目がかすんで疲れやすい、目が乾いてゴロゴロする、無月経、月経の遅れ、月経血の減少、
肌が乾燥しやすい、口が乾く、寝汗をかきやすい、ほてりやすい、のぼせやすい など
<漢方>
陰や血を補うものを使います。

  • 肝腎(かんじん)の陰が足りないために陽を抑えられず、風(ふう)が起こる

<要因>
体質が肝腎陰虚(かんじんいんきょ)、ストレスが大きい、甘いものやこってりしたものをよく食べる など
<例>
イライラ、怒りで震える・怒りが爆発した途端にけいれんして気を失うなど
<症状>
手足のしびれ、ガタガタとふるえる、ひきつるような頭痛、突然倒れ意識を失う、半身不随、
口や目が歪む、舌がこわばる、めまいイライラしやすい、のぼせる、目の充血、顔が紅潮する、
耳鳴り、足腰がだるい、手足のほてり、微熱、寝汗をかく、体がやせる、ほほが赤くなる、肌が乾燥する など
<漢方>
陰を補って陽を抑えるようなものを使います。
但し、症状が激しい場合は、病院での治療が優先されます。

  • 五臓との関係

けいれんは、肝(かん)と大きなつながりがあります。
「肝は筋をつかさどる」、「肝は血を蔵す」 とされています。したがって、肝の血が足りなくなると、筋を養うことができず、けいれんとなるのです。
また肝陽(肝気)は勢いよく流れる性質があり、それを肝陰(肝血)が抑えてコントロールしています。しかし、肝陽(気)が過剰になったり、肝陰(血)が足りなくなって肝陽(気)をコントロールできなくなると風(けいれんやめまい、からだの上部の症状など)が生まれます。
また、肝は感情のコントロールもしており、ストレスを受け止めるクッションの役割もしているため、けいれんが出やすいときには精神的にリラックスすることも大切です。
この他、心や腎ともつながりがあります。

このように、けいれんといってもさまざまな原因があり、またその原因もいくつかが重なっていることが多いため、漢方では、どの臓腑のバランスの乱れから症状がでているのか、そのようになったのはなぜなのか、生活スタイル、ストレス、食事などを確認しながら、状態に合わせて使っていきます。

西洋医学的解説

けいれん(痙攣)とは・・・

自分の意志とは関係なく、からだの一部あるいは全身の筋肉が急に収縮してしまう状態をいいます。

足がつる、手足や顔の一部がピクピクする、等は、日常生活の中でもみられますが、これもけいれんのひとつです。また、子どもに多く見られる全身性のけいれんは、「ひきつけ」 とも言います。

強直性(きょうちょくせい)けいれん
全身がひきつった状態が一定時間続くもの。
突然意識がなくなって倒れ、全身がけいれんし、体を突っ張らせた状態が続く。
例) てんかん発作の起こり始め

間代性けいれん
体がピクピクと震えたり、ガクガクと小刻みに揺れ、収縮と弛緩を繰り返す。
例) てんかんの発作中

  • 痙攣(けいれん)の原因

てんかん

熱性けいれん

生後6ヶ月~6歳までの乳幼児では、高熱に伴ってけいれんを起こすことがありますが、たいていは2~5分でおさまります。また、成長とともに起こらなくなります。
但し、
・生後6ヶ月以前で起こる
・6歳以上になって初めて起こる
・熱性けいれんを起こすような家族歴がない
けいれんが15分以上続く
・24時間の間に2回以上繰り返す
・左右同時ではなく片方の手足だけけいれんしている
・微熱でもたびたび起こる  などの場合には、他の病気も考えられるため専門医を受診しましょう。

脳の障害

けいれん頭痛や意識障害を伴っている場合は、脳に何らかの障害がある可能性が大きいため、早急に専門医を受診する必要があります。
・脳腫瘍
片側の手足からけいれんが始まり、全身に広がります。
・化膿性髄膜炎
発熱や激しい頭痛とともに、意識障害を伴うけいれんが起こります。
・頭部の外傷
頭を打つなどした後にけいれんが起こる場合は、血腫や脳の挫傷が原因となっていることが考えられます。
・その他
分娩時外傷・低酸素脳症・先天奇形・脳血管障害など

循環不全

・心室細動
・心室停止
・房室ブロック
・大動脈の炎症や閉塞

ホルモンの異常

・副甲状腺機能低下症
副甲状腺ホルモンの分泌が減ると血液中のカルシウムが少なくなり、手あるいは全身のけいれんが起こることがあります。また手足のしびれ・イライラ感うつ状態などを伴うことがあります。

代謝の異常

・低血糖
糖尿病でインスリン注射や経口血糖降下薬を使っている場合も、低血糖でけいれんが起こることがあります。
・尿毒症
・電解質異常(低ナトリウム血症、低カルシウム血症など)

中毒

一酸化炭素、ニコチン、破傷風毒素などの中毒

心因性

大きなショックを受けたり興奮したときなどに、意識を失ってけいれんを起こすことがあります。
・ヒステリー
・憤怒けいれん
かんの強い子どもによく見られ、強く泣いた後、チアノーゼとともに全身けいれんを起こすことがあります。原因としては、恐怖感や痛みなどの刺激が考えられています。また、成長と共に発作は起こらなくなります。

  • けいれんが起こったときは・・・

横向きに寝かせる

嘔吐したものをつまらせないようにします。もしも飴などを舐めていた場合には、すぐに出しましょう。

衣服をゆるめる

状態を確認

発作が起こったときの状態は?(どこからどのようにけいれんが始まったのかなど)
体温、意識は?

体を揺さぶるなどの刺激を避ける

暗い所で安静にさせる

けいれんがおさまっても、しばらくは安静にさせる  など

参考文献:「家庭医学事典」 (新星出版社)
 「家庭医学大百科」 (主婦の友社)
 「家庭の医学」 (保健同人社)
 「今日の治療指針2005」 (医学書院)

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