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東洋医学的解説

筋肉痛は、誰もが経験したことのある症状の一つです。
軽いものであれば自然と気にならずに改善していきますが、激しい痛みや、薬を飲んでも効かない、痛みが長く続くといった場合にはつらいものです。

漢方で筋肉痛は、他の痛みと同じように「通じざれば、すなわち痛む」と考えます。
つまり、何らかの原因で経脈(けいみゃく・・・気血の流れる通路)の流れが悪くなり、
気血(きけつ・・・エネルギーや、栄養を与えたり潤すもの)が滞るため、と考えるのです。
また、必要な気血などが足りない場合にも、筋肉がきちんと働けずに痛みが出ると考えられます。

では、どういったものが筋肉痛の原因になるのでしょうか?また、予防はどうすれば良いのでしょうか?

~ 原因と対策 ~

  • 痛みが強く、次のような特徴があるタイプ

邪気(身体に悪影響を与えるもの。風・寒・湿・熱)がくっつくことで起こる痛みには、次のようなものがあります。

痛みの特徴

1.痛みは温めると軽くなり、冷えると悪化する、患部を触っても熱くない、一定の場所が痛む など
2.手足が重だるく痛む、腫れて痛む、一定の場所が痛む などの場合

1は、寒邪(かんじゃ)や、2は湿邪(しつじゃ)の影響が考えられます。

<この邪気を受けやすい体質>
1.温める力が弱い、あるいはすでに寒邪をもっているタイプ
2.水分を代謝できない、あるいは余分な水分を溜め込みすぎているタイプ

<伴いやすい症状>
1.寒がり、手足が冷たい、低体温下痢をする、寒気がする
2.むくみやすい、舌に苔がべたっとついている、手足が重だるい、胃腸が弱い、ぽちゃっとしている、食欲がない、頭が重だるく痛む など

<邪気を受ける要因>
身体を冷やした、汗を拭かずに風にあたっていた
湿度が高い、水に浸かる、必要以上に水分を摂る、汗を拭かないなど

<予防とケア>
上記の体質や要因で思い当たる方は、筋肉痛にならないための予防が大切です。
そのためには西洋編に書いたように、運動前と運動後にストレッチやマッサージ、入浴などで筋肉を温めてほぐしてあげることが必要です。また、汗をかいたら、その都度ふき取りましょう。

<漢方>
温めて血行を良くして、邪を取り除くものなどを使います。

痛みの特徴
患部が腫れて熱を持っている、冷やすと楽になり、温めると悪化する などの場合

熱邪の影響が考えられます。

<この邪気を受けやすい体質>
熱を冷ます力が弱い、あるいは熱がこもってしまっているタイプ

<伴いやすい症状>
暑がり、寝汗をかく、ほてりやすい、お小水が濃い、イライラしやすい足がつりやすい、舌苔が黄色い、舌が赤い など

<邪気を受ける要因>
猛暑、風寒湿邪が長くとどまっている、水分を摂っていない、アルコールの飲みすぎ、普段から味の濃いものばかりを食べている、 など

<予防とケア>
炎症が起きていると考えられます。
したがって、温めたり運動で血行を良くすると悪化する恐れがあります。冷やして無理な運動は避けましょう。
しかし熱や痛みが引いてきて温めると楽になるようなら、状況は変わっていますので、温めて血行をよくしてあげることが大切です。

<漢方>
熱を冷まして邪を取り除くものを使います。

次は、気血が滞った場合の痛みです。
古い血や老廃物が溜まると、新陳代謝も低下して症状が長引きやすくなります。

痛みの特徴

1.特定の場所が痛む、押すと痛い、刺されるように痛むなど
2.痛む場所は決まっていない、張ったような痛みがある、気分によって痛みが変化する などの場合

1はオ血(血の滞り)や、2は気の滞り(気滞)が考えられます。

<伴いやすい症状>
1.あざができやすい、生理時に血の塊がでる、刺すような生理痛がある、肩こり頭痛がある、冷えやすい、熱がこもりやすい など
2.ストレスを受けやすい、イライラしやすい、脇・胸・頭・背中などが張ったり痛くなることがある、気分の起伏が大きい、ゲップやおならが出やすい など

<筋肉痛になる要因>
筋肉を損傷した、冷えている(寒)、炎症が起きている(熱)、邪気を受ける、準備運動の不足で身体が緊張している、食べすぎ、飲みすぎ、ストレスを抱えている、 など

<予防とケア>
・オ血の影響が大きい場合
状況に合わせてケアしましょう。ひどい痛みや熱感があれば冷やして、なければ、あるいは、ある程度落ち着いたら温めて血流を良くします。
あざが出来ている場合は肉離れも考えられますので、無理な運動はせず、医師の診察を受けましょう。

・ 気滞の影響が大きい場合
楽しんで運動しましょう。気持ちがいいと思える程度でストレッチや準備運動で身体をほぐしましょう。
ただし痛みがつらい場合は、無理をするとさらに気血が滞ることにもなりかねませんので、無理な運動は避けましょう。
また入浴など、リラックスしながら筋肉をほぐす工夫や、レモンなどの酸味のあるものや香りのいいものを摂るのも良いでしょう。

<漢方>
気血の流れを良くするものや、気血の流れない原因を改善していくものを使います。
また、田七人参には腫れや痛みを抑える働きもあり、予防やケアで使うことがあります。

  • 痛みは強くないが、次のような特徴があるタイプ

痛みの特徴
しくしく痛む、しびれるように痛む、力が入らないなどの場合

気血が不足している(気虚、血虚)と考えられます。

その人にとって必要な気血が足りていないと、筋肉が動くための気血も足りなくなってしまい(エネルギー不足となって)、痛みの原因となります。
~こんなイメージです~
乾燥したものは潤ったものに比べて柔軟性がないため、負担がかかりやすい。古くなったゴムは新しいものに比べて切れやすい。

<伴いやすい症状>
疲れやすいめまいがする、動くと悪化する、下痢しやすい、手足がしびれる、筋肉がピクピクしやすい、唇や爪の色がうすい、目がチカチカする など

<筋肉痛になる要因>
食事をきちんと摂っていない、睡眠不足、疲れが溜まっている、胃腸が弱い、筋肉が少ない など

<予防とケア>
食事と休養が大切です。普段からきちんと気血を補うように心がけましょう。
例えば、3食をバランスよく摂る、夜更かししないなど。
特に、気が足りないのにご飯を抜いたり、血が足りないのにたんぱく質や鉄分をきちんと摂っていなかったり・・・。思い当たることはありませんか?

このタイプは体質的にエネルギー不足ですから、無理は禁物です。

<漢方>

気や血を補うものを使います。
筋肉痛になる原因を例としていくつか挙げましたが、これらは組み合わさって症状として出ることも多いため、漢方では生活面や体質などを確認し、その状態に合わせて対応していきます。
もしも、人に比べて筋肉痛になりやすい、少しでも予防したいという方は、漢方を利用してみるのも良いでしょう。

また一般的に良く見られる運動後の筋肉痛は、主に炎症(熱)・寒邪・オ血による痛みからくることが多いようです。
そのため、多くの場合はストレッチなどの運動前後のケアと、炎症があれば冷やし、それ以外は温めて血行を良くすることが大切になってきます。これをやる、やらないによって、回復のスピードには差が出てきます。

また、消炎剤を使っても痛みが改善しない、症状が長引きやすい、などの場合には、炎症(熱)から痛みが出ているのではなく冷え(寒)が原因であるなど、間違った処置をしていることがあります。
また、必要なものが足りていない、邪気を受けやすい体質であること、なども考えられます。

もしもそういった経験があるならば、一度自分のケアを見直してみましょう。

ただし痛みがなかなか治まらない場合は、単なる筋肉痛ではなく、肉離れや静脈瘤、動脈硬化など、他の疾患も考えられますので医師の診察を受けましょう。

西洋医学的解説

筋肉痛には、大きく分けて
急性の痛み(久々の運動や長時間の運動などによるもの)と、慢性の痛み(肩こりなど)の2種類がありますが、ここでは前者についてご説明します。
筋肉痛は、痛みと炎症を伴う痙攣性収縮(縮こまってしまった状態)です。

  • 筋肉痛の原因

原因としては次のようなことが言われていますが、実のところ、詳しいことはまだはっきりと分かっていません。

筋の疲労

エネルギーの生産が間に合わない時、あるいは出てきた乳酸を処理しきれない時に起こります。
つまり、筋肉を動かすためのエネルギーが不足して、老廃物(乳酸)が溜まり酸性に傾くことによって筋肉は疲労します。乳酸が留まっていると、そこに炎症が起きて周囲の筋繊維が収縮する(縮こまる)ために血流が低下し、さらに乳酸が溜まりやすくなります。
また炎症が起きると、そこに白血球が集まり、ブラジキニン、ヒスタミン、プロスタグランジンなどの痛みを引き起こしたり、痛みを強くする物質が出て筋肉痛が起こります。

筋の損傷

急な動きや激しい運動、坂道を下るなどの負担の大きい運動をすることで、筋繊維や結合組織(筋繊維を包んでいる筋膜、腱)が傷つくと、炎症が起こり、上記のように痛みを引き起こす物質が出てきて筋肉痛が起こります。

  • 筋肉痛の治療

本番に備えて、事前に本番と同じ運動をしておく。
準備運動をきちんと行う。
ストレッチで筋肉をほぐす、軽いランニングなどで身体を温める、使う筋肉を軽く動かしておく。
運動直後は、急にやめずに軽く身体を動かし、ストレッチで筋肉をほぐす。

アフターケア

痛みがひどくなければ温める・・・入浴やマッサージ、温湿布を貼るなど
(筋肉もほぐれて血行が良くなり、老廃物や痛み物質も早く処理されるようになり、筋肉の回復も早まります。)
痛みがひどい場合は冷やす・・・アイシング(氷を使って、円を描くように患部をマッサージする)、冷湿布など
(痛みがひどい場合は炎症が起きていると考えられます。この場合、温めるとさらに悪化させることになりかねません。まずは冷やして炎症を抑えましょう。ただし、落ち着いてきたら、回復のために温めてあげることが必要です。)

  • 筋肉痛の回復

筋肉痛も他の痛みと同じく、無理な負担がかかっていますよ!という身体からの信号で、防御反応のひとつです。筋肉痛が激しい=筋肉が強くなるわけではありません。運動はやり方やケアが大切なのです。

筋肉には、筋の損傷と修復が繰り返されることで太くなる性質があります。
軽い筋肉痛であれば何もしないのではなく、休養と栄養をきちんと摂りつつ、軽く動かすことも筋力アップにつながります。負担の小さな運動でも、続けることが大切です。

ただし、やり方が分からない、不安があるという方は、ジムなどでも体力&筋力アップの相談にのってくれますので、それらを利用してプランを立てて行うのも一つの方法です。

食事について
運動だけでは体力&筋力はつきません。逆に身体に悪影響を及ぼしてしまいます。
炭水化物はエネルギー源になりますし、たんぱく質は筋肉や血液を作るのに必要です。
ビタミン・ミネラルも新陳代謝に必要不可欠のものです。バランスのいい食事を心がけましょう。

筋肉痛は日常的にも起こりやすい症状ですが、
もし痛みが長く続くような場合には、他の疾患も考えられますので、医師の診察を受けましょう。

参考文献:「家庭の医学」(保健同人社)、「解剖生理学」(廣川書店)

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